化粧品は「身だしなみ」だけではなく、日焼け・乾燥・洗浄の負担を減らす最低限なら役立ちます。ただし、水、食料、薬、トイレ、照明、連絡手段より先にはしません。
台風、地震、停電、断水に共通して使える女性向け防災バッグを、持ち出し用と自宅備蓄に分けます。自治体の備蓄は種類や数量が限られるため、自分に合う生理用品、薬、眼鏡など代えにくい物を優先します。
最優先:命と移動に必要な物
- 飲料水、すぐ食べられる食品
- 常用薬、お薬手帳のコピー、医療情報
- 携帯トイレ、懐中電灯、電池、モバイルバッテリー
- 眼鏡、予備眼鏡、必要な人はコンタクト用品
- 身分証・連絡先・避難先を書いた紙
- 運動靴、雨具、手袋、笛
薬の日数は一律に決めず、処方や保管条件を医師・薬剤師へ確認します。コンタクトは断水時に衛生を保ちにくいため、眼鏡を基本の代替手段として準備します。
生理用品・下着・衛生用品
普段使う種類を数日分、小分けして中身の見えない袋へ。サニタリーショーツ、下着、処分袋、ウェットタオル、ドライシャンプーも候補です。避難所の配布場所や相談方法が分からない場合は、運営者へ女性担当者を通じた受け取り方法を尋ねます。
防災バッグに入れる化粧品は4役に絞る
- 日焼け止め:屋外待機や片付け時の紫外線対策
- 保湿:顔・手など乾燥する部分へ使える物
- 洗浄:水が少ない場面で使える拭き取りや個包装
- 唇の保護:小さく、乾燥時に使いやすいリップ
オールインワンは荷物を減らせますが、初めての製品を非常時に使わないよう、普段から肌に合う物を選びます。メイク用品は必要なら眉・色付きリップなど自分の安心につながる少量を。周囲へ使用を強要しません。
クレンジングは「落とす物」と「使う水」をセットで考える
濃いメイクのまま避難する可能性もあります。個包装のクレンジング、コットン、拭き取り後の保湿を一組にします。断水時は洗い流しが必要な製品だけでは困るため、普段から一度試します。肌に異常が出たら使用を中止してください。
夏の車内へ化粧品を置きっぱなしにしない
JAFの試験では真夏の車内が高温になり、可燃性の高い危険物は破裂・引火の可能性が高まるため放置しないよう案内しています。スプレー、エアゾール、香水、電池、モバイルバッテリーを車載バッグへ常設せず、持ち出す方式にします。一般の化粧品も品質を保てる温度を外れる可能性があるため、各表示を確認します。
年代ごとの暮らしに合わせた備え方
40代の方へ
40代では、自分の用品に加えて子ども、配偶者、親の持ち物まで一人で準備する状況が起こりやすくなります。家族全員分を一つのバッグへ詰めず、薬・眼鏡・衛生用品など本人しか判断できない物は各自で管理します。小学生以上なら、無理のない重さの個別バッグを一緒に作る方法もあります。
勤務先から帰宅できない場合も考え、職場には一晩をつなぐ小型セットを置きます。ただし、家庭と職場へ高価な化粧品を重複して買う必要はありません。普段使う日焼け止め、保湿、洗浄用品を小容量で回し、期限切れを防ぎます。
仕事や子育て、家族のケアなどで複数人分を準備する場合は、一人で背負いすぎないよう家族ごとに分担しましょう。職場にも、必要に応じて薬・眼鏡・生理用品の小型セットを置いておくと安心です。
50代の方へ
50代では、自分の体調だけでなく高齢の親の避難や服薬を支える方もいます。親の薬を本人に無断でまとめて持つのではなく、薬の保管場所、処方内容、連絡先を本人と共有し、誰が持ち出すか決めます。
ほてり、睡眠の乱れ、疲れやすさがある場合は、避難所で休めるよう扇子、冷却用品、耳栓、アイマスクなどを選びます。すべてを年齢や更年期のせいにせず、強い頭痛、吐き気、意識の変化などは別の体調不良として対応してください。
ほてりや睡眠の乱れなど、普段から気になる体調がある方は、扇子、冷却用品、耳栓など自分が休みやすくなる物を少量加えます。体調不良を年齢や更年期だけで決めつけず、必要に応じて医療機関へ相談してください。
60代以上の方へ
60代以上でも必要な備えは、仕事、持病、活動量、同居状況によって異なります。年齢だけで大きなバッグや介助を前提にせず、実際に背負って歩ける重さと、避難経路の段差を確認します。キャリーは平地で便利でも、階段や浸水時には使いにくいことがあります。
薬名や連絡先はスマートフォンだけでなく紙でも用意します。一人暮らしなら、家族以外にも近隣、自治体、かかりつけ医など連絡できる先を決めます。助けを求めることを本人の弱さと捉えず、必要な配慮を事前に言葉にしておきましょう。
服薬中の方は、薬名、緊急連絡先、持病、かかりつけ医の情報を紙でも用意しておくと役立ちます。バッグは実際に背負って確認し、重い場合は水などの自宅備蓄と持ち出し品を分けましょう。
年2回の見直し
3月と9月など日を決め、薬、食品、電池、化粧品、生理用品の状態と期限、家族構成、避難先を確認します。使った分を戻すローリングストックにすると、非常時だけ古い物が残るのを防げます。
参考情報
情報確認日:2026年8月19日
持ち出し用と自宅備蓄を分ける
避難時に背負うバッグへ一週間分すべてを詰めると重くなります。すぐ逃げるための「持ち出し用」には一晩~数日をつなぐ物、自宅には水・食品・衛生用品を多めに置きます。車の常設品は高温に弱い物を除き、季節ごとに見直します。
| 持ち出し用 | 自宅備蓄 |
|---|---|
| 薬、眼鏡、少量の衛生用品、照明、連絡手段 | 水、食品、携帯トイレ、追加の生理用品・下着 |
| 小型の日焼け止め・保湿・洗浄 | 普段使う製品の未開封予備 |
化粧品の小分けで注意すること
別容器へ移すと、何を入れたか、いつ入れたか、衛生状態が分からなくなりやすい点が課題です。可能なら使い切りパウチや旅行用サイズを選び、元の商品名と期限を書きます。食品用容器へ入れて誤飲につながる状態を避けます。
日焼け止めは屋外作業で使える一方、塗り直しを優先して危険な場所に留まってはいけません。避難行動と安全確保が先です。
眼鏡・コンタクト・入れ歯・補聴器
見える・聞こえる・食べられることは避難生活の安全に関わります。予備眼鏡、ケース、補聴器の電池、入れ歯ケースと洗浄用品など、自分に必要な物を一組にします。コンタクトの保存液を水で代用しません。
避難所で困ったときの伝え方
生理用品、下着、薬、着替えなどを人前で言いにくい場合があります。受付で「女性担当者へ相談したい」「個別に受け取りたい」と伝えます。本人の同意なく必要品や体調を周囲へ説明しない配慮も大切です。
よくある質問
フルメイク用品は不要?
命を守る用品より優先はしませんが、眉やリップなどが安心や仕事復帰に役立つ人もいます。小型で普段使う物を選び、他人へ必要・不要を押し付けません。
防災バッグの化粧品はいつ交換する?
製品表示と保管条件に従い、半年ごとの点検時に液漏れ、におい、変色、期限を確認します。高温や直射日光を受けた物は使用を避けます。
何日分あればよい?
自治体の地域防災計画、家族構成、避難先、薬の入手方法で変わります。まず3日程度を具体化し、可能なら自宅備蓄を一週間へ広げる考え方があります。
玄関に置く前の重量確認
バッグを完成させたら、靴を履いた状態で背負い、階段や玄関まで歩きます。片側だけに重い物を入れず、両手が空く形を基本にします。重すぎる場合は、水や食品の一部を自宅備蓄へ移し、薬、眼鏡、照明、連絡手段など代替しにくい物を残します。
家族全員分を一人が持つ前提にせず、子どもや高齢者も無理のない範囲で個別バッグを用意します。ペットがいる家庭は、避難先の受入条件、フード、リード、記録も別に確認してください。
災害の種類で置き場所を変える
浸水のおそれがある家では上階や高い棚、地震対策では倒れる家具のそばを避けます。台風接近後に屋外の倉庫へ取りに行く計画は危険です。玄関だけでなく寝室や職場にも小型セットを分散すると、在宅場所が違う場合に役立ちます。
防災の日に家族で確認する3項目
- 避難場所と安全な経路
- 連絡が取れない場合の集合方法
- 防災バッグの場所と担当
持ち物を増やすだけでなく、実際に避難先まで歩き、夜間・雨天・停電時に同じ経路を使えるか確認することが大切です。
災害時の衛生と体調管理を、命を守る優先順位から落ち着いて整理します。
※編集部の執筆スタイルを示すペンネームです。




